ゼロからの60坪自然菜園

教本は竹内孝功さんの「これならできる!自然菜園」。無化学農薬、無化成肥料、不耕起、草生栽培で、海や山の自然の恵みを畑に持ち込む自然菜園です。

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☆まとめ 不耕起栽培・有機物マルチについて①-方法、メリット、デメリット等-

不耕起栽培の理論や方法、メリットについて整理し直しました。

不耕起栽培について

不耕起栽培について詳しく記載されている書籍
不耕起栽培。その名のとおり、作付前も作付後も耕さない方法で、農業でも家庭菜園でも一般的ではないようです。畑関係の本の多くにはは「作付前に石灰を、その後肥料を加えてよく耕すこと」とか「冬は天地返しをして土を寒気にあてて、害虫を退治すること」など耕すことを推奨しています。私も2009年と2010年の途中までは、このように耕していました。耕すことで土を柔らかくし、堆肥などをよくまぜることが土を豊かにすると思っていたのです。
水口文夫(1999) 『コツのコツ 家庭菜園の不耕起栽培』農文協
この考え方を一掃したのが、この本でした。
本表紙1
これまで、畑のためを思って耕していたことが、むしろ畑の土を、環境を破壊していたと思うようになった、コペルニクス的発想の一冊でした。
この本は不耕起栽培について、相当詳しく書かれています。
また、後述するように、不耕起栽培と併用して用いる”有機物マルチ”についても詳しく記載されています。マルチにはビニールマルチもありますが、ビニールではなく刈り草等でマルチをするものです。
不耕起栽培も有機物マルチも特に技術的に難しかったり、新たな投資が必要になるものではありませんが、その栽培方法は一般的な栽培方法とは一線を画すものです、不耕起栽培や有機物マルチをご存じでない方は一読の価値がある書籍です。
西村和雄(2008)『新装版 おいしく育てる菜園づくりコツの科学』七つ森書館
この本は有機農法の取り組みの中で、不耕起栽培について推奨しています。
本表紙2
「家庭菜園の不耕起栽培」には記載されていない視点が紹介されています。
不耕起栽培は省力で土を育て、野菜が育ちやすく、畑も有効利用できると理解していますが、万能ではなく選択肢の一つです。
農家など大規模栽培では大型機械で一気に耕起し、土を均し、一度に播種する方法の方が効率的です。
小さな家庭菜園では家庭菜園ならではの流儀があり、不耕起栽培は私の指向性と、取り巻く環境にマッチした方法として取り組んでいます。
そんなことを考えていたら、「やさい畑」でも4ページの特集が組まれていました。
本表紙3

不耕起栽培の目的、理論及び方法

土を耕す目的
不耕起栽培について紹介する前に、何のために土を耕すかを確認します。大雑把に述べると、土自体を良くすることと畑の環境を良くすること。この2点ですね。
詳しく述べると-
土を砕いて柔らかくする
①苗の植え付けや播種を楽にする。
②根が地中深くに入りやすくする。
③根の呼吸のために地中に酸素を送る。また、水はけを良くして酸素を地中深くに入りやすくする。
耕して撹拌する
④肥料をよく混ぜて肥焼けしないようにする。
⑤腐葉土や堆肥等の土壌改良剤が均一になるようにして土を育てる。
その他
⑥前作の根や生えている雑草を取り除く。
⑦モグラの穴を壊す。モグラの穴があると根が乾いたり、野ネズミの進入路となる。

これらの点で不耕起栽培の方が優れているなら、耕す必要は少なくなります。
※耕すことによるダイエットとか、頑張ったという気持ちになるなど、肉体的、心理的な観点もあります。

不耕起栽培とは
不耕起栽培とは、その名前のとおり畝を耕さない方法です。
まったく土に触れないのではなく、土寄せ、草の管理、播種等に伴い、表面5cm程度の土を動かすことはあります。これらの作業にはレーキや三角ホーを使います。最初に畝を立ててしまえば、クワは必要ありません。
また、畝幅や畝の高さの調整に伴い、土を動かすことはありますが、畝を底から耕転することはありません。
※年に1回程度耕すという考え方もあります。
草や収穫後の植物を刈り取ることはあっても、抜いてはいけません。これは、土は雑草に耕してもらい、その根が腐って出来た穴を利用して野菜の根をのばしたり、排水したり、酸素を地中に送り込むものです。
※セイタカアワダチソウ等、有害な草は抜いて駆除します。

併用される技術、考え方-雑草の活用、共生、有機物マルチ-
不耕起栽培に併用されやすい技術的な方法や考え方があります。
不耕起栽培では、畑にはある程度の雑草を生やしますが、ここで自然栽培的な、雑草も畑の生態系をつくるものであり、益虫が棲むためには雑草も必要という観点で、雑草との共生という見地に立ちやすくなります。併せて、土と野菜しかない畑で最初に棲む虫は野菜を食べる害虫という考え方が理解できます。
雑草と共生するうちに、生えて来る雑草の種類が畑の状態の指標となるという考え方に触れることができます。これは、雑草の種類で、PHや土の豊かさを知ろうというものです。
雑草をある程度生長させ、根も生長した状態で刈るので、かなりの草が発生します。この処分を兼ねて、刈り取った草や落ち葉を畝の上に敷く”有機物マルチ”により土を育て、守るという方法につながります。不耕起栽培には、「森林の植物は、耕していないのに元気に育っている。畑も耕さず野菜を元気に育てる」という考え方も含まれるので、森林が落ち葉で覆われているのと同様、畑も有機物で覆うという考え方はつながりやすいです。
※草によっては、刈ってすぐに畝の上に置くと腐敗する恐れもあるため、乾燥させた後の方が良いそうです。

不耕起栽培のメリット
何と言っても、播種や苗の植え付け前に行っていて、週末菜園家にとっては時間の確保のネックで、高齢者にとっては重労働である、耕転、畝立、整地から解放されることです。
天地返しも行いませんが、初めて作付けする場所は天地返しをする場合もあります。
先ほど紹介したように、草の根を利用して土を耕すので、こまめな除草からも解放されます。少なくとも、野菜しか生えていない状況を理想とするような除草は不要です。
そして、頑張って耕さなくても土がふかふかになります。耕すよりも、土の物理性と生物性は確実に良くなると思います。
また、耕転しないので、空いたスペースから播種したり苗を植え付けられ、畑を有効利用できます。

不耕起栽培による土の改善
では、不耕起栽培の考え方で、どのように土が改善されるかを紹介します。
※「土の改良」だと、土の物理性、生物性、化学性の改良を想起します。ここでは”畑の土の構造を良くすること”として「土の改善」としています。
根穴の利用
地中には多くの、様々な太さの根が伸びています。耕さない状態で、この根が腐ったら、様々な太さの多くの穴が残ります。ミミズの穴もあります。(モグラの穴がある場合、これだけは邪魔になります。)
これらの根穴が土をスポンジのようにして、排水性と通気性を高めます。また、この穴を利用して野菜の根が伸びることもできます。このようにして、土の物理性が改善されます。このため、草は抜かず、刈るのです。
根が密だったり、深く伸びる作物を栽培することで大きな効果が得られます。そこで、細かい根を持つイネ科作物を積極的に間作します。特に、エンバク、ライ麦は冬でも育つ上に、春先、有機物が少ない時期にワラを収穫できるため重宝します。収穫まで育てなくても、随時刈り取って、跡地に野菜を植えても構いません。
※麦類の栽培は2011年~12年にかけて、私も実践中です。
物理性が改善され、通気性があり、適度な水分もある環境では微生物が増えるとされています。また、様々な微生物がおり、土の表面付近で働く微生物もいれば、土の深い場所で働く微生物もいます。微生物の多様性は病原菌の大発生や連作障害を抑制する-そうです。
※この辺りの微生物学はフィーリングでしかありません。
耕して撹拌することは、これらの穴を壊して物理性と生物性の改善を阻害する行為です。さらに、個々の団粒化した土を壊す行為でもあります。
※「不耕起栽培による土の改善に、どれだけの時間がかかるか分からない。そんな不確実なことに頼るなら、耕して確実に土を柔らかくしたい」という反論もあると思います。
有機物マルチ
刈り取った草や落ち葉で畝の表面を覆う有機物マルチについて紹介します。
有機物マルチの目的の1つは土を裸にしないことです。土を裸にすると、強烈な太陽光線や紫外線で土の微生物を殺します。晴天が続くと、土の水分がなくなり、粘土質の私の畑など、ひび割れします。そうなるとまいた水は表面を流れるだけで、地中に浸みません。また、裸地に降る雨や雹は団粒を壊します。
春先では地温を上げるために草などをどかすことはありますが、常時土を裸にしていると、このように土を育てるどころか、土を殺すことになります。
もう1つの目的は、有機物マルチで土を育て、かつ多様な生き物の棲み家を作ることです。森林の落ち葉の下にはダンゴ虫、ミミズ、トビムシ等がいます。多くの微生物も棲んでいます。これらの生き物の働きにより団粒ができます。有機物マルチの層を「亡骸層」とも言い、これが積み重なってフカフカの土になります。この環境を作るため有機物でマルチをします。有機物マルチをして1年が経過した土の表面は、団粒にこそなっていませんが、フカフカになってきました。
また、有機物マルチで出来たすき間には数多くのクモが棲みます。このクモが、多くの害虫を食べてくれます。
有機物マルチは耕転する栽培方法でも可能ですが、有機物マルチにより作られた環境を壊さない不耕起栽培だと、より効果的だと思います。

さて、畝の断面を撮影しました。
まずは、ちょうど運よく、天地返しのために畝にスコップを入れて、キレイな断面が出来ていたお通常栽培のお隣さんの畝です。
130203通常栽培断面
どうでしょうか。のっぺりとしていて、団粒らしきものはほとんど見られませんね。

次に私の、有機物マルチ不耕起栽培の畝の断面です。不耕起2年目の場所と思いますが、はっきりとは分かりません。
130203不耕起栽培断面
表層に小さな粒=団粒が多く発達しているのが分かります。
このように、有機物マルチ不耕起栽培を続けていくと、どんどん深部まで団粒が発達して、フカフカな畝になる夢のような農法なんです。

という甘い話はありません。
別途、不耕起栽培のデメリットと注意点について整理します。
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[ 2013/02/06 05:23 ] ├ 育土 | TB(0) | CM(8)
No title
はじめまして

科学的な考察が書かれており興味深く閲覧しています。

ただ不耕起のデメリットに書かれているジャガイモとサトイモは栽培可能です。不耕起にも人によってやり方が違うので一概には言えませんが、私のところでは数十年放置されていいた土壌を全く耕さずにジャガイモ栽培ができております。
ただし全くの無施肥だったため収量は少なかったですけど。

不耕起で出来ない作物は、ゴボウとヤマイモですかね。
できないことも無いですが、又根や曲がりくねってしまい収穫に相当苦労するのでそういう意味で難しいということです。

参考にしていただければ幸いです。
[ 2012/01/17 10:02 ] [ 編集 ]
教えていただいてありがとうございます。
ムニュさま

はじめまして。
ジャガイモとサトイモも不耕起で出来るんですね。
収穫するときに掘り起こすので、不耕起畝は作れないと思っていました。

そんなときに、今月の「やさい畑」で、ジャガイモは種イモの上に有機物マルチをして、
掘るのではなく引っこ抜くように収穫-と立ち読みですが、読みました。

ん、ちょっと、ご指摘と主旨が違うかもしれません。

また、いろいろと教えてください。何せ、基礎知識がないものですから。

今後とも、よろしくお願いします。
> はじめまして
>
> 科学的な考察が書かれており興味深く閲覧しています。
>
> ただ不耕起のデメリットに書かれているジャガイモとサトイモは栽培可能です。不耕起にも人によってやり方が違うので一概には言えませんが、私のところでは数十年放置されていいた土壌を全く耕さずにジャガイモ栽培ができております。
> ただし全くの無施肥だったため収量は少なかったですけど。
>
> 不耕起で出来ない作物は、ゴボウとヤマイモですかね。
> できないことも無いですが、又根や曲がりくねってしまい収穫に相当苦労するのでそういう意味で難しいということです。
>
> 参考にしていただければ幸いです。
[ 2012/01/17 20:29 ] [ 編集 ]
No title
不耕起の定義はそれぞれ違うと思うのですが、『不耕起だから収穫のときに掘り起こしてはいけない』というのはちょっと解釈が違うと思います。

不耕起というのはあくまでも植付けるときにあらかじめ土をほぐす、要するに慣行農法で誰もがやる『耕す』行為をしないというのが正しいと思います。

イモなども収穫するときは株周りだけを掘り起こし、次の作物の植付け時にその穴(一旦掘り起こしてあるところ)を再利用するのが基本です。
ジャガイモもサトイモも株の中心から半径30センチ以内にイモが点在するので、そこだけは掘り返せばよいと思います。

あまり教科書通りに栽培しても面白みがありませんよ!!
[ 2012/01/17 21:25 ] [ 編集 ]
記事も修正させていただきました。
そうですね。不耕起栽培は、事前に土をほぐすかどうかですね。
私が難しいと言っているのは、密植した場合、収穫のため畝全体を掘り起こすため、不耕起畝の使い回しが難しいということですね。

記事も修正させていただきました。ありがとうございます。

[ 2012/01/18 04:14 ] [ 編集 ]
No title
いろいろあつかましいこと言ってすみませんでした。
畝の幅にもよりますが、イモ掘りで崩れてしまうのはしょうがないですね。
ではその畝を排除するという発想の転換はいかがですか?

『畝とは慣行農法を行う上で、土壌水分量を強制的に調整するために、人間が考え出した方法である。』

私の畑では畝が存在しません。
・自然環境では畝など存在せずとも植物は育っている。
・雑草を生やせば土壌水分量は、ある程度一定に保たれ畝を作る必要性を排除できる。

と言うのが私の理論です。
ご参考に!!
[ 2012/01/18 11:29 ] [ 編集 ]
色々な方法があるんですね
畝をなくす。それは、畝立をなくすだけではなく、植える場所すら決めないという考え方にもつながりそうですね。
「お、ここがスペースがあるからタネをまくか」と。
混作により、特定の病害虫が増えやすくならない環境を作れそうです。

私の借りている畑は休耕田で、大雨が降ると水がたまります。
したがって、ある程度高い畝を立てないと困るので、畝は必要と思っているんです。

また、お気づきの点は、遠慮なく教えてください。
[ 2012/01/18 20:31 ] [ 編集 ]
No title
なるほど

そこは休耕田でしたか。それでは高畝が必須ですね。
休耕田だとサツマイモや春作のダイコンなど厳しそうで、作付け計画も大変そうですね。

うちでは、砂地の畑があるので畝要らずで楽チンです。
[ 2012/01/18 22:11 ] [ 編集 ]
休耕田は
ムニュさま

かなり大きな休耕田です。
50m四方はありそうです。
そこを4人(多分)で借りていて、私は慣行栽培の人に挟まれています…。
うち1人は私に土地を紹介してくれた人で、草を生やすことに理解してくれていますが、
もう1人の方は分かりません。機械で耕起して、草を抜くだけでなく、通路や空き地の草は
除草剤で殺し、土壌は殺菌しているようです。
まあ、どこにでもありそうな話ですね。

砂地の畑ですか。
ラッカセイの出来も違うんでしょうね~。

> なるほど
>
> そこは休耕田でしたか。それでは高畝が必須ですね。
> 休耕田だとサツマイモや春作のダイコンなど厳しそうで、作付け計画も大変そうですね。
>
> うちでは、砂地の畑があるので畝要らずで楽チンです。
[ 2012/01/19 05:12 ] [ 編集 ]
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