ゼロからの60坪自然菜園

教本は竹内孝功さんの「これならできる!自然菜園」。無化学農薬、無化成肥料、不耕起、草生栽培で、海や山の自然の恵みを畑に持ち込む自然菜園です。

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☆まとめ 天地返しについて

現代農業で推奨されている天地返しについて考えてみました。
天地返しの目的
天地返しって何のためにするのでしょう。
①寒気に土をあてて、害虫や病原菌を殺す。(害虫はともかく、殺菌にはあまり効果がないという考えもあるそうです)
②底の固い土を表面に出して、凍結や雨風に当てることでほぐして、土を柔らかくする。
③底にある栄養を表面に出す。
④表面に育ちつつある雑草を埋めて雑草の生育を抑制する。
ことが目的でしょうか。
私も畑を借りた当初は頑張って天地返しをしました。
不耕起栽培に宗旨替えした今は、天地を返すことで得られるメリットよりもデメリットの方が大きいのではと思っています。

天地返しのデメリット
天地返しの各目的について、不耕起栽培の立場から考えました。 なお、私の知識不足、偏見も多々あると思います。
①寒気に土をあてて、害虫や病原菌を殺すことについて
不耕起栽培、その先にある自然栽培の考えでは、害虫を殺すのは天敵等の捕食者です。草を生やしたり有機物マルチをすることでカゲロウやカマキリ、徘徊性のクモが棲みやすくすることで、害虫の大発生を抑制できます。
「自然栽培をしていても、天地返しをして害虫を殺した方が、より害虫の発生を少なくできるじゃないか」とも考えられます。また、天地返しではコガネムシの幼虫を駆除できるなど、目に見える効果がありますが、病原菌の抑制や土を育てる観点など、総合的に天地返しには大きなデメリットがあると考えています。
自然栽培の考えでは、病原菌の発生を抑制するのは有用微生物、いわゆる善玉菌を含めた環境のバランス。野菜の生育を助けるのも善玉菌。
天地返しをすると、病原菌だけではなく善玉菌にとっても環境が激変します。好気性の菌は地中に、嫌気性の菌は地表に入れ替わり、生存困難となり、微生物の生態系バランスは大きく崩れます。 その後、善玉菌と病原菌のどちらが優位になるかは分かりません。

②底の固い土を表面に出して、水分を凍らせたり酸素を入れる等によりほぐして、土を柔らかくすることについて
土の理想の状態は団粒構造。これは、立場を超えて同じだと思います。団粒構造を作るのはミミズやダンゴ虫等で、表面から作られます。これをひっくり返したら、土の重さで団粒が潰れるのではないでしょうか。(粘土質の重たい土だから、特に心配しています)
土の重さだけでなく、掘る、塊を崩すという作業も団粒を壊します。壊すのは団粒だけではありません。土の中に根やミミズがつくった細かい穴-これらは排水、通気に役立っている-を全て壊します。 ミミズも殺してしまいます。
一方、不耕起栽培で天地返しをせずに土の表面から団粒化が進む場合は、軽い団粒の上に軽い団粒ができるので、天地返しをするよりも団粒は崩れにくいです。
天地返しは、確かに一時的に土を柔らかくします。不耕起栽培により草を生やして根に土を耕させ、有機物マルチで表面から団粒化を進めた土は、耕すほど劇的に柔らかくなりません。最初の数年は我慢が必要ですが、着実に、団粒を残したまま、柔らかくなります。

③底にある栄養を表面に出すことについて
天地返しは物理的に、底にある栄養を表面に出します。
不耕起栽培では、底にある栄養を表面に出すのは、深根性の草です。野菜が負けない程度に草を刈りつつ、草と野菜を共生させ、草の根に栄養を表面に運んでもらいます。その草を刈って畝間に置く。草はやがて腐熟し、栄養は循環するというものです。
そもそも、自然栽培的な立場では、底に肥料成分がたまるほどの施肥はしません。

④表面に育ちつつある草を地中に埋めて雑草を抑制する
上記のように草と共生するのが不耕起栽培です。雑草の抑制も必要ですが、天地返しのデメリットの方が大きいです。天地返しのように、草を全て埋め込む考え方はしません。
多くの草は、その根が地面を耕し、その存在は生態系を豊かにし、かつ土の状態の指標となる大切な存在です。草を生やしながら 、野菜に悪影響を及ぶす状態なら刈る。このような付き合いをします。

以上の理由で、畝立てでは出来るだけ土の環境を壊さないように、天地を返さず、草も抜いていません。(ヨモギ等の除去のため耕起をすることはあります)
問題なのは、真面目に天地返しをしている隣の方にとって、私は「手を抜いて、草を生やして、害虫の発生源になって迷惑」と思われることです。
草を生やさず、有機物マルチもせず、カマキリもクモもおらず、野菜があるだけの畑は、私の畑で発生した害虫にとってはエサだけがあるパラダイスです…。

研究成果
主観だけでは説得力に欠けます。
涌井義郎、舘野廣幸(2008)『【解説】日本の有機農法 土作りから病害虫回避、有畜複合農業まで』(筑波書房)では、50㎡の畑でトマトを5年間、不耕起畑と慣行栽培の畑でそれぞれ連作して比較実験を行った結果が掲載されています。なお、不耕起栽培では有機物マルチを、慣行栽培では黒ポリマルチを使っています。
・3年目と5年目の栽培終了時に地下部を掘って土の固さと根の伸びを比較したところ、地表部7~8cmの固さはどちらもほぼ同じで、その下は除々に固くなるが、地下35~45cmでは不耕起の方が少しだけ柔らかかった。
・トマトの根の張り方は、不耕起栽培の方が深い場所でも良かった。
・定植作業の準備時間は、不耕起栽培は慣行栽培の1/3。
というものです。
なお、このような実験は、土の状態によって様々な結果になると思いますので、どの畑でも同様の傾向がみられるとは思っていません。


天地返しそのものを否定しているのではありません。農家と家庭菜園では規模や目的の違いから、それぞれのベストは異なる方法が採用できるように、自然栽培と通常の栽培方法では、それぞれのベストの方法があると思います。
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[ 2012/03/19 05:52 ] ├ 育土 | TB(0) | CM(0)
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